中国人民解放軍の孫建国・副総参謀長(63)は31日、シンガポールのアジア安全保障会議(シャングリラ対話)で講演し、前日にアシュトン・カーター米国防長官(60)から「即時中止」を求められた南シナ海での岩礁の埋め立てによる人工島建設について「中国の主権の範囲内で、合法で正当かつ合理的な活動だ」などと反論。その目的として「軍事、防衛上の必要なニーズを満たすためだ」と述べた。
南シナ海での岩礁の埋め立てについて、中国軍幹部が公に軍事目的に言及したのは初めてとみられ、米国防長官などの発言に中国当局が一段と態度を硬化させたことを意味する。
「平和利用」繰り返し
岩礁の埋め立てを主導しているのは、中国海軍だと指摘されている。人工島に火砲などの武器が配置されたことも米偵察機によって発見されたが中国当局はこれまで、埋め立ての目的について「航海の安全、気候変化の観測などの平和利用」(外務省報道官)と繰り返してきた。