若い世代を対象とした公募展「群馬青年ビエンナーレ’05」でその才能を認められ、2012年には若手アーティストの登竜門として知られる「アートアワードトーキョー丸の内」でグランプリを獲得した片山真理さん。先天性骨形成不全症により義足を使用しており、デコレーションした義足やセルフポートレートを作品として発表し続けている。
過去の自分に感謝
真理さんの初の個展「you’re mine」にうかがったとき、セルフポートレート作品の前で足が動かなくなった。じわじわと迫り来るビームを放つようなオーラ。最果ての地にいるような孤高の美。写真の隅々まで、食い入るように見つめる。「ああ、足がないのか…」「あ、指が2本」と随分たって、あらかじめ知っていたことにことさら気づく。会場にいる彼女に声をかけていいものかどうか躊躇(ちゅうちょ)した。届かないところにたたずむ人のような気がして。
ところが、「おこしくださってありがとうございます。うれしいです」とはにかむような笑顔。かわいい声。予想を裏切る親しみやすい人だ。だが、その声はかなり上の方から聞こえる。「ごめんなさい。私、結構大きいんです(笑)」