包み込まれるように
ちょうど取材で訪れたときに持ち込まれていたのは、ニューヨークで購入されたという大型のソファセット。1人がけソファは海外からの運搬中に木枠が折れたそうで、作り直すという。
布とクッション部分もすべて取り除かれて木枠だけが残る状態。注文客が選んだのは落ち着いた深いブルーの毛足の長いベルベット生地。
ベルベット生地はミシンがけの折、布地が滑って逃げる特徴があるそうだが、うまくかけるにも経験が問われる。座面の毛並みは前、背もたれは下に流れるようにすると、包み込まれるような座り心地になるそう。毛足の流れを読み取るのも職人の技ならではだ。
ミシン3台使い分け
ミシンは布地の厚さによって3台を使い分ける。手縫いをする針もバーベキューの串のような太いものから、大型魚の釣り針のようにフック状にしならせたものまで多彩。針を自作することも多いという。