水泳世界選手権の出場断念を発表する萩野公介=2015年7月3日午後、東京都北区(共同)【拡大】
来年のリオデジャネイロ五輪で金メダル候補と期待される日本競泳界のエース萩野公介(東洋大)が3日、東京都内で会見し、右肘橈(とう)骨頭骨折のため24日に開幕する世界選手権(ロシア・カザン)出場を断念する、と発表した。
合宿先のフランスで先月28日、自転車で練習場へ向かう途中に転倒し、右手を地面についた際の衝撃で右肘を痛めた。今月2日に緊急帰国。3日に受けた精密検査で全治2カ月と診断された。世界選手権では200メートル、400メートル自由形、200メートル、400メートル個人メドレー、800メートルリレーの5種目に出場予定だった。
引き締まった体の右腕には、何とも痛々しいギプスが巻かれていた。「今できることは、来年の五輪で金メダルを絶対取るという気持ちを持って治すこと」。萩野は、精いっぱい未来を向こうとしていた。
リオデジャネイロ五輪の前哨戦となる世界選手権。日本水連は個人種目の金メダリストにリオ五輪の代表権を与えることを決めている。男子200メートル、400メートル個人メドレーで昨季の世界ランキング1位だった萩野は、十分射程圏内だった。