ベトナム共産党のグエン・フー・チョン書記長(71)が6日から、ベトナム戦争以降のベトナムトップとして初めて米国を訪問する。戦争終結から40年。かつての敵である両国は中国の南シナ海での勢力拡大を背景に急速に接近している。ベトナム側は防衛協力の強化など関係のさらなる深化を期待する。
米調査機関がアジア各国などで実施した世論調査によると、ベトナムでは「米国による軍事面でのアジア関与強化」に71%が賛成し、調査対象の10カ国で最高の割合だった。「どの国と経済関係を強化すべきか」との問いには69%が米国と答え、最大の貿易相手国である中国の18%を大きく上回った。
ベトナムの米国接近を促したのは、中国による南シナ海の実効支配強化。特に昨年、中国によるパラセル(中国名・西沙)諸島付近での石油掘削作業が反中感情を強め、「米国接近というコンセンサスを生み出した」(政府関係者)形だ。
またベトナムには、米国との関係強化で「経済面での中国依存から脱却したい」(経済学者)との思惑がある。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉に参加するベトナムは、TPPにより主要産業の繊維業が米市場に参入できると期待する。