新国立競技場の有識者会議の後、記者会見する日本スポーツ振興センターの河野一郎理事長(中央)ら=2015年7月7日午後、東京都内のホテル(三尾郁恵撮影)【拡大】
JSCの見通しの甘さは否定できず、日本オリンピック委員会の竹田恒和(つねかず)会長は会議で「(コスト削減を進める)国際オリンピック委員会の五輪改革を考えると、現在のコストは決して満足できるものではない」と苦言を呈した。
希薄な当事者意識
国立競技場の改築構想は、開催が決まっていた19年ラグビー・ワールドカップ(W杯)に向け、11年2月に超党派の議員連盟が決議したことで動きだした。JSCは12年3月に改築に向けた有識者会議を発足。12年9月に新競技場のデザインを公募し、2カ月後にはザハ・ハディド氏の斬新な案を採用と、とんとん拍子で作業を進めた。
所管の文部科学省も12年度から予算措置を始めたが、当事者意識は希薄だったという。当時は東京五輪の開催決定(13年9月)前。五輪でも使うという大義がなければ財源確保は難しいとの見方もあり、文科省関係者は「日本ラグビー協会会長だった森(喜朗)さんとJSCが勝手に進めていた印象」と振り返る。