新国立競技場の有識者会議の後、記者会見する日本スポーツ振興センターの河野一郎理事長(中央)ら=2015年7月7日午後、東京都内のホテル(三尾郁恵撮影)【拡大】
傘下の独立行政法人、JSCが進める事業に対する費用、工期面での検証は不十分で、別の文科省関係者は「結局、あのころの無責任体質を今まで引きずった」とみる。当初計画では工事が間に合わないことを下村博文(しもむら・はくぶん)文科相(61)が知ったのはことし4月。「明確な責任者がどこなのか、よく分からないまま来てしまった」と認めたが、後の祭りだった。
「楽観的すぎ」
肝心の財源もめどが立っていない。国から500億円の負担を要請された東京都の舛添要一知事は態度を軟化させており、遠藤利明五輪相(65)も「都とは十分信頼関係を持ってできる」と楽観的だが、予算が絡む問題なだけに決着は9月の都議会以降となる見通しだ。
文科省は1000億円以上を販売が好調なサッカーくじの収益でまかなう考えだが、売り上げが落ち込むリスクもある。下村文科相があてにする命名権販売や寄付などによる民間資金もどこまで確保できるか不透明だ。
国土交通省幹部は「文科省は国家的なプロジェクトだから何とかなると楽観的すぎたのではないか」と冷ややかな見方を示す。有識者会議の委員である民主党の笠(りゅう)浩史衆院議員(50)は「もっと費用が膨らむのではないかとか、見切り発車という批判もある。不信感を招かない丁寧な説明が必要だ」と指摘した。(SANKEI EXPRESS)