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「沈黙」こそ、最も大切な要素 映画「サイの季節」 バフマン・ゴバディ監督インタビュー (2/5ページ)

2015.7.10 14:30

10年ぶりに来日したバフマン・ゴバディ監督は「年老いた女性を演じるモニカ・ベルッチの新境地を見てほしい」と語った=2015年6月4日、東京都渋谷区(高橋天地撮影)

10年ぶりに来日したバフマン・ゴバディ監督は「年老いた女性を演じるモニカ・ベルッチの新境地を見てほしい」と語った=2015年6月4日、東京都渋谷区(高橋天地撮影)【拡大】

  • 【メディアトリガーplus(試聴無料)】映画「サイの季節」(バフマン・ゴバディ監督)。7月11日公開(エスパース・サロウ提供)

 《イラン革命のさなか、反革命的な詩を発表したとして詩人、サヘル(ベヘルーズ・ヴォスギー)が逮捕された。夫の帰りをひたすら待ち続けていた妻のミナ(モニカ・ベルッチ)は、当局から「夫は獄死した」と信じ込まされ、後ろ髪をひかれながらもついに新たな生活へと足を踏み出す。30年後、釈放されたサヘルは、最愛の妻の行方を捜す中、自分が「亡き者」とされていた事実を知り愕然(がくぜん)とする。記憶をさかのぼれば、サヘル逮捕の前後から、ミナには常にアクバル(ユルマズ・エルドガン)という男の影がちらついていて…》

 本作がイスタンブールで撮影されたのは7年前。ゴバディ監督は前作「ペルシャ猫を誰も知らない」(2009年)を完成させた後、家族を残してイランを離れていた。当局の許可を得ずに街中でゲリラ的に撮影したため、イラン国内で映画制作がしにくい状況に追い込まれてしまったのだ。「『サイの季節』の映画化に着手したとき、僕はかなり落ち込んでいました。移り住んだ先では言葉(トルコ語、アラビア語、英語、フランス語)が分からず、本来、おしゃべりな僕はすっかり沈黙するようになってしまったのです」。基本的にペルシャ語しか解さないゴバディ監督が経験したこのときの陰鬱な気持ちが「サイの季節」の出発点となり、必然的に静かな作風へとつながっていったという。

底流に悲しみや抑圧

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