一体、口説き文句は何だったのか? 「ベルッチにはこう言いましたよ。僕は子供の頃からヴォスギーの大ファンでした。そんな彼が35年も映画に出演できなくなってしまったので、僕はどうしても何かをしたくなり、ヴォスギーに会って『あなたの映画を作る』と約束したんです、とね。すると、ベルッチは『そういう事情でしたら絶対に出演します』と快諾してくれたのです」。人生に疲れ果て、老いさらばえた薄幸の女性役を演じることになる-と念を押すと、ベルッチは「そういう役を演じたことがないので、とても興味があります。撮影の日を楽しみにしています」と答え、逆にゴバディ監督を勇気づけたそうだ。7月11日から東京・シネマート新宿ほかで全国順次公開。(高橋天地(たかくに)、写真も/SANKEI EXPRESS)