ユーロ圏首脳会議後に記者会見するドイツのアンゲラ・メルケル首相=2015年7月13日、ベルギー・首都ブリュッセル(ロイター)【拡大】
首脳会談に先立つユーロ圏財務相会合では、フィンランドも合意文書へのサインを拒否した。議論が感情的になり、欧州中央銀行のドラギ総裁の発言に対し、ドイツのショイブレ財務相が「私はバカではない」と激高する場面もあったという。
矛先収めたドイツ
ユーロ圏は発足当初から、ドイツやオランダ、北欧諸国など財政基盤が強固な「北側」と、イタリアやスペインなど財政難の南欧諸国との対立を抱えていた。金融政策を一本化した一方、財政政策は各国に委ねるという構造的な欠陥が、今回も問題解決の大きな障害となった。首脳会議でも「ギリシャのユーロ離脱のリスクが一時高まった」とイタリアのレンツィ首相は明かす。
経済破綻の危機に直面しているギリシャは、最終的に財政再建策の一部を15日までに法制化することや、国有資産売却などの要求をのんだ。
ドイツもギリシャが財政破綻すれば887億ユーロ(約12兆円)の損失を被るとされ、ひとまず矛を収めた。メルケル首相は今回の合意を「メリットがデメリットを上回る内容だ」と説明した。