ユーロ圏首脳会議後に記者会見するドイツのアンゲラ・メルケル首相=2015年7月13日、ベルギー・首都ブリュッセル(ロイター)【拡大】
≪「銀行再開うれしい」「客は戻らない」≫
「銀行が開くのはうれしい。でも…」。ユーロ圏首脳会議の合意が伝えられた13日、アテネ市民は安堵と不安の入り交じった複雑な心情を口にした。閉鎖が続く国内銀行は近く営業を再開する見通しだが、代償として厳しい財政再建策を受け入れたことで、市民生活はさらなる困窮を強いられそうだ。
「これでまた仕事を始められる」。オリーブオイル輸出会社の男性社長、アンジェライキス・セニストクレスさん(60)は顔をほころばせた。
先月末以降、資本規制の影響で口座の金が動かせずに会社の業務は完全にストップ。それだけに銀行の営業再開を待ち切れない様子だ。ただ「異常事態が少しましになるだけ。多すぎる公務員を抱えた非効率な行政など、この国には多くの課題が残っている」と顔を引き締めた。