ユーロ圏首脳会議後に記者会見するドイツのアンゲラ・メルケル首相=2015年7月13日、ベルギー・首都ブリュッセル(ロイター)【拡大】
ギリシャでは、緊縮策を受け入れたチプラス首相への不満もくすぶるが、大規模な抗議デモには発展していない。怒りよりも不安の感情が国民に広がっている。
国民投票で反対票を投じた人々も、緊縮策からの解放が難しいことはうすうす承知している。「苦しくても我慢するしか道はない」。銀行閉鎖や医薬品の不足など生活への影響が拡大するにつれ、ギリシャ経済が破滅に向かっていることを肌身で感じている。
残るデフォルト懸念
13日の東京株式市場はギリシャのユーロ圏離脱が回避されたとの見方から、平均株価は2万円の大台を回復した。しかし、野村証券の岸田英樹シニアエコノミストは「ギリシャの資産売却や債務減免交渉は難航する可能性が高い」と予想する。
第一生命経済研究所の田中理主席エコノミストも「債権者側とギリシャの信頼関係は損なわれた」と指摘。今月20日に迫る巨額の国債償還は「ギリシャの改革法制化などの手続きが遅れる可能性もある」とし、デフォルト(債務不履行)の懸念は残ると警告している。(SANKEI EXPRESS)