ユーロ圏首脳会議後に記者会見するドイツのアンゲラ・メルケル首相=2015年7月13日、ベルギー・首都ブリュッセル(ロイター)【拡大】
支援協議合意のニュースが伝わった13日昼も、アテネ市内の現金自動預払機(ATM)前には多くの利用者が並ぶ光景が見られ、浮かない顔の市民も多かった。
紳士服店を経営するキリヤジス・ニコスさん(43)は「例年ならこの時期は年間売り上げの3分の1を占める書き入れ時なんだけど」とため息をついた。資本規制はサマーセールを直撃し、売り上げは激減した。今後は増税や年金給付の抑制が待ち受けており、客足がさらに遠のくのは確実だ。「銀行が開いても、今は客も金を使おうという雰囲気ではない」。ニコスさんはつぶやいた。
支援協議の中で強硬姿勢をとり続けたドイツに対するギリシャの市民感情も一段と悪化した。「ドイツにはこう言いたい。もうたくさんだ」。今後も厳しい交渉が続くが、大きな禍根を残しそうだ。(共同/SANKEI EXPRESS)