俳優、桐山漣(れん)さん=2015年5月26日(高橋天地撮影)【拡大】
「群青色の-」主演に
「僕自身も役者になる前、10代の頃はミュージシャンになりたくて、バンドを結成して自分たちで曲を作って演奏していたんですよ。ベースを担当していました。父親が厳しく、母親が優しいといった主人公の家族の雰囲気も僕のケースと似ていました。だから、脚本を読んでいたとき、主人公が一人で抱え込んでいたモヤモヤとした気持ちがすごく分かったんですよね。この映画は演じていて何度も心にグッときた作品でした」
《東京で音楽活動を続けていた真山佳幸(桐山)のもとへ、絶縁状態にあった父親の年男(升毅)から突然、連絡が入った。体調が思わしくない入院中の年男は病室へ佳幸、母の明子(宮崎美子)、高校生になった妹の幸恵(安田聖愛(せいあ))を呼び、重大な決意を明かす》
桐山自身も佳幸のように、ミュージシャンを目指すことに否定的な父親に強く反発していたという。「僕の父も年男みたいに『音楽なんてやって、一体どうするんだ?』と、決めてかかってくるところがありました。でも、子供の側からすれば『なぜまだ何もやってないのに頭からだめだって決めつけるの?』という思いもありました。僕はミュージシャンになりたかったし、そもそも何か芸というものに携わることで飯を食っていきたい-という気持ちが強かったんです」。父親が反対すればするほど、桐山が夢へ突き進もうする気持ちはいっそう駆り立てられた。