ケニアにいた1週間、私達は何度か、こうした「ケニア式」ルールに足止めされた。交通ルールを破った、駐車場所が違う、など言いがかりはさまざま。銃を持った警察官ににらまれると怖いが、長時間粘って諦めるのを待った。私達は悪いことはしていないし、日本人から簡単にお金が取れると思ってほしくなかったからだ。
日本の警察にも不祥事はある。だが、少なくとも法律にないルールで罰金の支払いを求められることはない。と思っていたら、日本でも速度違反もみ消しの見返りに現金を受け取った警察官が逮捕される事件が起きていた。どうやら、腐敗に国境はないらしい。
ただ、その理由は大きく異なる。ケニアでは公務員の給与が低く、賄賂は生計を立てるために必要な手段になっているのだという。賄賂を要求するのは悪いことだが、その向こうには彼らと家族の生活があった。
世界には、「正しさ」だけで測れない物差しがある。(道丸摩耶/SANKEI EXPRESS)