「花魁(おいらん)」(展示用非売品)。花魁が履いていたものではなく、花魁をイメージした。大門と呼ばれていた遊郭の正門を正面に大きな牡丹をあしらい、裏には丸い窓(張見世)から中の金魚(花魁)を覗くことができる=2015年6月17日(田中幸美撮影)【拡大】
蜷川実花監督の花魁(おいらん)をテーマにした映画「さくらん」(2007年)の「金魚はビードロの中でしか生きられない…」というせりふにインスパイアされてできたのが「花魁」。重要なモチーフとなる金魚(花魁)が、下駄の側面の丸い穴(遊郭の張見世)からのぞいている斬新なデザインを生み出した。
1カ月に平均20足を制作。デザインから起こす場合には1足に1カ月かかる。鉛筆で下書きして、銀や黒で輪郭を描いてから着色する「加飾」という技法を用いる。一般の下駄は色を塗るとベタッとした印象になるが、鈴木さんの下駄は着色した後に木目が透けて見えて、透明感があるのが特徴。履ける物とアート作品を作り分ける。
地元の名人に弟子入り
昔から塗り下駄の産地として栄えた静岡市に生まれた。子供のころから美術は好きだったが、花瓶や風景など与えられた課題を描くより、好きな画家の絵を模写したり自由な発想で描いたりするのが好きだったという。
高校卒業後はインテリアの専門学校へ。ファッションに関わる仕事がしたかったことから、靴メーカーに就職し、約3年間、企画やデザインを担当した。