「大阪から来たんか。ほっとするわ」。建築界のノーベル賞とされるプリツカー賞を受けた世界的建築家。巨額の総工費や難工事に伴うデザインに批判が集まって以降、初めて開いた会見には、約200人の報道陣が集まった。冒頭はやや緊張感がみられたが、地元・大阪の顔なじみの記者を見つけると、おどけた調子で声をかけて会場の笑いをとった。
JSCが建設計画案を報告した7日の有識者会議への欠席に批判が集まったことには「『出席しなかったから、全て安藤の責任だ』というのは、ちょっと分からないなぁ…」とぼやきながらも、当日は講演会と昨年行った手術の影響で体調がすぐれず欠席したと説明。「申し訳ないと思っている」と素直に陳謝し、それ以上の批判を封じた。
質疑を続ける中で自分のペースをつかむと、“安藤節”も少しずつ炸裂(さくれつ)。総工費の高騰を招いた女性建築家、ザハ・ハディド氏のデザイン選定の責任を問われると、「選んだ責任はある」と認めながらも「(総工費の)2520億円は私が決めたわけではない」と話し、批判が噴出する総工費の膨張に“関与”したとみられることに不快感をのぞかせた。