日本人の伝統的な生活空間に欠かせないものの一つとして、畳が挙げられる。滑らかで柔らかな畳の表面に用いられているのが、いぐさで織られた「畳表」である。日本特有の床材をきれいに仕上げるために欠かせないいぐさだが、今や多くは中国産が用いられている。そんな中、日本産のいぐさだけを使って現代の生活空間に合う商品を企画・販売しているのが、福岡県大川市の添島勲商店である。「RE-DESIGNニッポン」の第15回は、このいぐさの新たな可能性への取り組みを紹介する。
今や8割は中国産
百人一首の読み札に描かれた貴族や僧侶は、畳に座している。畳は平安時代ごろから規格化が進んだといわれるほど、長い歴史を持つ。
畳作りの重要な材料がいぐさだということは、すでに述べた。このいぐさを、そのまま織った敷物が「ござ」、染色して織り上げてカラフルな模様を表現したものは「花ござ」と呼ばれる。日本特有の畳だから、いぐさも国産品が多いかといえば、そうではない。8割以上が中国で生産されているのだ。
「日本のいぐさは12月に植え、7月頃刈り取るが、中国では5月か6月くらいに刈り取るため、芯が詰まっておらず、表皮も弱い。そのためすぐに傷んでしまう」と、今回訪ねた添島勲商店の添島彰さんは話す。痛みやすいというイメージにより、いぐさ製品全体が敬遠されることを添島さんは懸念する。