2020年東京五輪・パラリンピックのメーンスタジアムとなる新国立競技場の建設計画が見直されることについて、元五輪選手やラグビー関係者らからは17日、「見直しは当然」との声が上がり、当初計画に厳しい意見が相次いだ。
「建設資金が莫大で、見積もりもずさん。東日本大震災からの復興などほかに優先すべき課題がある。今の日本社会をかんがみると派手なものを造る必要はない」。こう憤るのはラグビー元日本代表の平尾剛(つよし)さん(40)。
現行計画を推し進める理由として「ラグビーワールドカップに間に合わせるため」と言われると、心中穏やかではいられなかったという。
元競泳選手でシドニー五輪銅メダリストの田中雅美さん(36)は「外観だけでなく、選手と観客の一体感など内側に目を向け、その場に立つことが誇りに思える競技場を造ってほしい」と話した。「計画見直しは当然」と話すのは、サッカーの元日本代表でメキシコ五輪銅メダリストの釜本邦茂さん(71)。「当初の予算から金額が上がりすぎだ」と批判し、「早く決めて早く工事にかからないといけない。こんなことをしていたら間に合わなくなってしまう」と危機感をあらわにした。