計画の白紙が決まった新国立競技場の建設予定地では、取り壊し工事が続いている=2015年7月17日、東京都新宿区(鴨川一也撮影)【拡大】
2020年東京五輪・パラリンピックのメーンスタジアムとなる新国立競技場(東京都新宿区)の建設計画は、2520億円もの巨額の総工費に批判が高まったために白紙撤回され、一から出直すことになった。しかし、24日で五輪開幕まであと5年と時間に余裕はなく、議論を呼んだ総工費の財源や責任態勢は不透明で、課題は山積だ。
「設計と工事で50カ月強。20年春までの完成が目安だ」
17日、下村博文(しもむら・はくぶん)文部科学相(61)は今後の工程をこう説明した。政府は秋までに必要な機能や総工費の上限などの整備計画を策定し、その後デザインと設計、施工を一体的に担う国際コンペを実施。来年初めごろに設計作業に入る予定だ。
菅義偉(すが・よしひで)官房長官(66)は「今回は極めてぎりぎりの判断」と話す。設計から完成までは4年数カ月で、これまで下村文科相が説明していた5年1カ月よりも短い。この間に地震や大雪などで工事が中断すれば、影響は大きい。