村松亮君がいじめを苦に自殺した問題で、謝罪する中学校の校長(左)ら。いじめは度々国会でも問題になるが、現実から目をそらす観念論が先行する点で集団的自衛権に関する審議に似ている=2015年7月13日、岩手県紫波郡矢巾町(共同)【拡大】
村松君の反撃後、学校がほぼ無策だった状況はこれに似る。米軍のフィリピン撤退後、中国軍が南シナ海で異常な膨張を開始▽米オバマ政権の国際安全保障への自覚の薄さで、ロシアはクリミアやウクライナ東部を不法占領。《イスラム国》の勢力も飛躍的に拡大した。古くは、ナチス・ドイツを恐れ非武装地帯への進駐→周辺国の併合・割譲を欧州列強が黙認し、第二次世界大戦(1939~45年)という一大悲劇が起きた。無法国家にとり“話し合い”とは、兵力投射の時間稼ぎなのだ。
そこで同盟・友好国は協力して被侵略国を防衛する。放置すれば自らにも国難が迫るためだ。国際法上の理念は大戦前に確立していたが大戦後、集団的自衛権と名付けられる。
教師による体罰は禁止され、イジメ集団を救う教育も望まれるが、命を絶つ作為・不作為も見逃せぬ。村松君へのいじめに凍り付き、見てみぬフリをした同級生は遺族の慟哭に耳をふさいではならない。なぜ、いじめをやめる声を皆で上げられなかったのか考えるときだ。