村松亮君がいじめを苦に自殺した問題で、謝罪する中学校の校長(左)ら。いじめは度々国会でも問題になるが、現実から目をそらす観念論が先行する点で集団的自衛権に関する審議に似ている=2015年7月13日、岩手県紫波郡矢巾町(共同)【拡大】
見てみぬフリは禁物
学校への信頼を失ってもいけない。学校には国連同様、暴力に無力な一面があるが規則・秩序を守る生徒は圧倒的に多い。国連軍や国連のお墨付きを得た多国籍軍を背景とする《集団安全保障》が創る平和構造の意義はここに在る。ただ、国連軍創設は常任理事国の利害が絡み、拒否権を行使され実現不可能だ。実際、小欄が参加した専門家のシミュレーションで、国連軍が戦端を開く唯一の局面は《異星人の地球襲来時》。多国籍軍編成も時間がかかる。無力を自覚する国連が公認する、個別的自衛権と集団的自衛権の行使が必要になるゆえんだ。
集団的自衛権行使には、信頼に足る軍事協力国を厳選し、情報交換はじめ共同の作戦立案や訓練を繰り返す、日常の努力がいる。村松君の周りにも日頃から相談し、イジメ集団に注意できる仲良しが多く集まっていれば、最悪の結果は防げたのではないか。