かつてサーカスの芸術監督を務めていたユージーンは、映画に登場するサーカス団の手配や演出を買って出たほか、自らも支配人の役で本作に登場している。父と同じ道に進みたいと考えたことはなかったのか? 「若い頃は誰でも一度は『俳優になりたい』と考えることがありますが、僕は父を見てすぐに『自分には向いていない』と悟りました。むしろ、大仕掛けな見せ物で観客を圧倒するような舞台の監督やプロデューサーになりたいと考えていましたね。今、あえて映画の分野で何かしようという興味はありません。父の時代に比べ、映画の作り方ははるかに進化を遂げてしまい、よく分かりません。でも、映画館に行くことは大好きですよ」。東京・YEBISU GARDEN CINEMAなどで公開中。(文:高橋天地(たかくに)/撮影:野村成次/SANKEI EXPRESS)
■Eugene Chaplin 1953年8月23日、スイス生まれ。英国籍。チャールズ・チャプリンの四男。母方の祖父はノーベル賞作家、ユージーン・オニール。父の音楽的才能を受け継ぎ、ローリング・ストーンズ、クイーン、デビッド・ボウイなどのレコーディングエンジニアとして活躍後、スイスのサーカス団「サーカス・ノック」の芸術監督を務めた。