手話での交流伝える
玉田さんのドキュメンタリーの制作は、映画監督を目指す藤原亜希さん(36)が企画した。パリを拠点とする藤原さんは海外のNGOなどで働いた後、ドキュメンタリー作品に興味を持った。1年間、フランスの大学院で学び、映画の道に。手話を題材とした作品を撮りたいとフランスのテレビ番組の制作会社に企画を持ち込み、採用された。
手話を選んだのは「言語を越えたコミュニケーションを伝えたいため」と藤原さん。「私は何年もかかってフランス人とコミュニケーションを取れるようになったが、日本人とフランス人の聾者の交流を見た時、数日でそれぞれの手話の共通点を見つけ、コミュニケーションを取っていた」
作品を撮るにあたり、耳が聞こえない子供たちが手話で授業を受ける「明晴学園」(品川区)に相談し、卒業生の玉田さんを紹介された。昨年10月に初めて2人は対面。玉田さんは「耳が聞こえなくても、いろいろなことができることを知ってもらえることはうれしい」と出演を受諾した。