清宮(早稲田実業の清宮幸太郎選手)フィーバーに沸いた日曜日の神宮球場の雰囲気をしばらく忘れないだろう。甲子園の切符をかけた西東京大会の決勝戦とはいえ、およそ3万人の観衆の熱気は、猛暑にもあおられて、異常なほどだった。
試合開始まで1時間以上もあるというのにバックネット裏はもちろん内野席も全て埋まるなんて記憶にない。しかも学生野球のチケットは内外野関係なく全部自由席ゆえ、より良い席をもとめる人たちでスタンドの通路はぐちゃぐちゃ。
試合序盤に東海大菅生(すがお)が4点先制すると勝俣投手のピッチングもさらによくなり、球場全体のムードが落ちついた。16歳の主役にあまりに多くを求め過ぎてしまったことを反省すらする雰囲気だった。
しかし、清宮くんをはじめとする早実ナインはミラクルを演じてみせた。5点ビハインドの八回、あとアウトをたった6つとられたらおしまいという絶体絶命の場面から一気に8点をあげる。東海大菅生より早実が勝っていると感じる要素はあまりない。まさにあのイニングだけ魔法がかかった。