アップルの創業者兼会長だったスティーブ・ジョブズ氏の銅像。この天才の知能と資産をもってしても、膵臓がんには勝てなかった=2015年7月17日、イラン・首都テヘラン(AP)【拡大】
通常検査では困難
膵臓がんの発症原因はいまなお不明だが、遺伝や喫煙、肥満、そして50歳を過ぎてからの糖尿病などが危険因子に挙げられる。ただ、背中の痛みや黄だん、体重減などの症状は他の胃腸系の疾患と間違われやすく、膵臓が内臓の奥の方にあるため、通常の内視鏡やエコー、レントゲンなどの検査では早期発見が困難なことで知られる。
そのうえ進行も早いため、第1段階(ステージI)で発見されれば5年生存率は60%だが、第2段階(ステージII)だと一気に20%に激減。各部への転移が見られる末期(第4段階=ステージIV)だと、わずか3%。5年生存率が87%の乳がんや、98%の精巣がんと比べても著しく死亡率が高いことがわかる。
スティーブ・ジョブズ氏(1955~2011年)のほか、イタリアのオペラ歌手、ルチアーノ・パバロッティ(1935~2007年)、米俳優、パトリック・スウェイジ(1952~2009年)、日本でも安倍晋太郎元外相(1924~1991年)らが、このがんで亡くなり、その恐ろしさを世に知らしめた。
今回の早期診断法は、実験がまだ初期段階にあり、実用化には時期尚早との声も一部にあるが、早期発見の困難な膵臓がんの生存率の大幅アップに道が開けたのは確かだ。(SANKEI EXPRESS)