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夜空に舞う不死鳥と、祈願の白菊 長塚圭史 (2/4ページ)

2015.8.8 11:30

花火が始まる前、鯨のような雲が長岡の空を泳いでいました(長塚圭史さん撮影)

花火が始まる前、鯨のような雲が長岡の空を泳いでいました(長塚圭史さん撮影)【拡大】

  • 【続・灰色の記憶覚書(メモ)】演出家の長塚圭史さん(提供写真)

 視界いっぱいの花火

 前後とは言わないが、目の前を、少なくとも首を左右に振らなければ全容がつかめぬほどの幅で、つまり視界いっぱいの花火というものを経験したのは3年前のことだ。長岡花火(新潟県長岡市)のフェニックスである。中越大震災の翌年に復興祈願花火として打ち上げられたこの大スペクタクルの魅力を語るのは難しい。これほどの規模の花火を私はかつて見たことがなかったし、それこそ少年時代に私が空想した花火なぞ軽々と追い抜いてしまった。幅約3キロの間に15か所の打ち上げ場所が設置され、文字通り不死鳥が夜空を舞うように力強いカノンやユニゾンが繰り広げられる。あまりのスケールと美しさに言葉を失うのだ。

 大地が揺れる爆発音

 そして音。長岡花火の名物といえば正三尺玉。直径90センチ、重さ300キロという大花火である。打ち上がって開いたその大きさもさることながら、その音がものすごい。大地がずずんと揺れる。花火でよかった。これが街を襲う爆弾であったらたまらない。何を物騒なことをと言うなかれ。長岡の花火には、第二次大戦の長岡空襲で亡くなった方々への慰霊の想いが込められている。そして中越大震災からの復興祈願、世界恒久平和という3つの願い。毎年花火大会のオープニングは、この3つの願いが込められた白菊という3発の10号玉で幕を開ける。数万人の観客がしんと静まり返った中での白菊は胸を打つ。

街を破壊する爆撃が…

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