「なぜネット社会ほど権力の暴走を招くのか」(ジュリア・カジェ著/徳間書店、1600円+税)。発売中(提供写真)【拡大】
【本の話をしよう】
フランスの気鋭経済学者、ジュリア・カジェさん(31)の新刊『なぜネット社会ほど権力の暴走を招くのか』。世界的ベストセラー『21世紀の資本』の著者、トマ・ピケティ氏を夫に持つということもさりながら、経済学の視点から新たなメディア像を提示するという斬新さで、本国で大きな注目を集めた。このほど日本でも、本書が刊行された。
情報は「文化財」
本書の前提となるのは、「民主主義は質の高い独立した情報をできるだけ多く提供されることで支えられている」という確固とした信念だ。「私たちはニュースがいかに消費されるか(いかに金を払ってニュースを得るか)についてはあまり気にかけるべきではないと思います。問題なのは情報の質なのです。もし、選挙のとき、人々に情報が行き渡らなかったり、誤った情報がもたらされたりしたら、何を投票する際の判断材料にしたらいいのでしょうか。民主主義における投票とは、よく情報が伝わったうえでの投票なのです」