戦後70年の談話を発表する安倍晋三(しんぞう)首相=2015年8月14日、首相官邸(酒巻俊介撮影)【拡大】
その一方で「日本では戦後生まれの世代が今や人口の8割を超えている」として、将来にわたる謝罪の継続の必要性を否定。戦後、日本が国際社会に復帰できたのは諸外国の「寛容の心」によるものだとして、「心からの感謝を表したい」とも記述した。
侵略をめぐっては「いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争を解決する手段としては、もう二度と用いてはならない」と記述。「植民地支配から永遠に決別し、全ての民族の自決の権利が尊重される世界にしなければならない」と訴えた。いずれも一般論的な形で触れ、「深い悔悟の念とともに、わが国はそう誓った」と明記した。また慰安婦問題を念頭に「20世紀において、戦時下、多くの女性たちの尊厳や名誉が深く傷つけられた過去をこの胸に刻む」と述べ、今後、女性の人権問題で世界をリードする姿勢を強調した。
広島、長崎への原爆投下に触れ「唯一の戦争被爆国として、核兵器の不拡散と究極の廃絶を目指し、国際社会でその責任を果たしていく」と明言。同時に「積極的平和主義の旗を高く掲げ、世界の平和と繁栄にこれまで以上に貢献する」とした。