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【国際政治経済学入門】第2次日中通貨戦争、劣勢の円 (1/4ページ)

2015.8.12 09:00

中国・山西省の黄土高原=2006年11月22日(田村秀男撮影)

中国・山西省の黄土高原=2006年11月22日(田村秀男撮影)【拡大】

 戦後70年目の「8月15日」。国会の安全保障法制論議と合わせ、戦争とは何かを考える機会である。何も兵器を使って殺し合うことばかりが戦争のすべてではない。自国の通貨を係争地域で通用させてこそ、軍事的な優位を保てる。

 SDR化へ攻勢

 中国の習近平国家主席は国際的な手順で通貨人民元を国際準備通貨としようともくろむ。ドルをただちに元に置き換えるというわけではない。中国人民銀行が発行する元の9割以上はドル資産の裏付けを持たせて、通貨としての信認を国内外で獲得し、貿易を中心に元決済を周辺国から全世界へと広げてきた。

 最終仕上げが国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)構成通貨への組み込みである。SDR通貨に認定されると、国際通貨として一挙に世界に浸透する。IMFは上海株暴落後、北京当局が市場統制を強めたことから、今秋に予定していた最終決定を来年9月末に先送りした。IMFのラガルド専務理事は今年3月下旬、元のSDR通貨化は「時間の問題」だと、中国の李克強首相らに言明した通りの展開だ。

歴史は繰り返す

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