中国人民銀行の利下げにもかかわらず、上海株の下落が止まらない。ギリシャのデフォルト(債務不履行)騒ぎに伴う世界的な株安のあおりもあり、訪欧中の李克強首相が欧州連合(EU)首脳にギリシャのユーロ圏残留を催促する始末だ。だが、ギリシャ問題がなくても、上海株バブルの崩壊は不可避であり、下落に歯止めがかかるメドは立たない。
利下げで信用取引活況
上海株は6月30日も急落を続け、総合株価指数は6月12日のピーク時に比べて25%下がった。上海株価は昨年11月から6月初旬までの8カ月間で2倍に上がった。景気低迷や企業の業績不振が続く中での株高で、バブル状態にあることは明白にもかかわらず、利下げなど当局による株高誘導策にあおられた個人投資家が株買いに熱狂してきた。
中間層や富裕層は不動産相場が上昇局面にあるときは不動産に投資し、党中央が株価引き上げ策に転じたとみるや株式市場に殺到してきた。公務員や国有企業の幹部の中には、習近平政権による綱紀粛正のために、給与外利得機会がなくなった勤め先を早期退職し、株式投資に専念する者も続出していた。