党中央の指令下にある中央銀行である中国人民銀行の利下げが株価引き上げ策となる仕組みである。北京の株式市場監視当局は市場の過熱を警戒して信用取引の制限を検討したが、人民銀行は実体景気の刺激の必要に迫られて利下げせざるを得ないのだから、信用取引拡大は抑えようがない。
外資動向に翻弄され
株価暴落の引き金を引いたのは、党中央によるもう一つの株価引き上げ策である。それは昨年11月の利下げとほぼ同時期に実施した上海と香港の株式の相互取引による上海市場への外国人投資家の呼び込みだ。香港市場を経由すれば外国人投資家が初めて中国政府の認可なしに上海株に投資できるようにした。利下げ効果と相まって国内の個人投資家の投資意欲を喚起し、上海株価は上昇気流に乗った。しかし、香港経由の外国人投資は出入りが目まぐるしい。
6月18日付の米ウォールストリート・ジャーナル紙電子版によると、6月3日までの1週間で中国証券市場に外資が73億ドル流入し、翌週は68億ドル流出したという。相場がバブル崩壊寸前とみるや、いち早く撤収する外資に上海市場が翻弄される。