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【国際政治経済学入門】第2次日中通貨戦争、劣勢の円 (4/4ページ)

2015.8.12 09:00

中国・山西省の黄土高原=2006年11月22日(田村秀男撮影)

中国・山西省の黄土高原=2006年11月22日(田村秀男撮影)【拡大】

 これを見て、閻将軍は血相を変えて裏口から逃げ出した。通訳が「法幣(中国語の発音ではファピー)」を「砲兵(パオピン)」と取り違え、「砲兵(パオピン)がくるぞ」と大声で叫んだからだ。日本軍がだまし討ちしてきたと、誤解したのだ。工作は失敗し、日本軍は中国大陸でいよいよ泥沼にはまった。

 この抱き込み工作失敗の遠因は日本軍の軍票が使えず、法幣に頼らざるをえなかった点にある。法幣は英国が蒋介石政権に全面協力して発行させ、米国が印刷面で協力した。

 英国は今、AIIBに率先して参加し、元のSDR通貨化に賛同している。米国もSDR通貨化には条件付き賛成のように見える。歴史は繰り返す。(産経新聞特別記者・編集委員 田村秀男/SANKEI EXPRESS

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