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【国際政治経済学入門】第2次日中通貨戦争、劣勢の円 (2/4ページ)

2015.8.12 09:00

中国・山西省の黄土高原=2006年11月22日(田村秀男撮影)

中国・山西省の黄土高原=2006年11月22日(田村秀男撮影)【拡大】

 元が国際通貨として認定されたとしても、ドルに取って代わることは近い将来はあり得ないし、北京も米金融資本に中国市場への参入の特権を与えるなど、宥和策をとっている。

 だが、日本にとっては、円による取引が元によって押しやられる。アジアは元の経済圏となってしまい、中国のアジアに対する政治的影響力はぐんと増す。日本の企業も金融機関も元決済のために、北京には低姿勢で臨まざるを得ない。

 中国主導で年内設立準備が進んでいるアジアインフラ投資銀行(AIIB)はドル資金を調達しなくても、元が使える。ロシアなどからの兵器購入も元で済むようになる。安倍晋三政権は安全保障法制が中国の軍事膨張から喫緊の課題とみているが、元の勢力拡大が日本にとっての脅威を増大させる。

 歴史は繰り返す

 様相は日中通貨戦争とも言えるのだが厳密には、「第2次」である。写真は中国内陸部にある山西省の標高1200メートルの黄土高原の一コマである。1942年5月6日、この黄土高原の一角の窰洞で日中戦争の帰趨(きすう)を左右しかねなかった会談が開かれた。

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