70年談話の発表後、記者会見で発言する安倍晋三(しんぞう)首相=2015年8月14日午後、首相官邸(酒巻俊介撮影)【拡大】
安倍は当初、談話に「侵略」を書き込むことに消極的だったが、21世紀懇の報告書に「侵略」が明記されたことから、これを盛り込むことにした。政府高官はその理由として「侵略の定義については専門家でも意見が分かれるが、過去の日本の行為が国際社会で侵略と評価されたことがあるのは事実だ」と説明する。
今回の談話は「首相の肉筆だ」(別の政府高官)とされる。作成に当たって安倍は21世紀懇の報告書や何冊もの歴史書を丹念に読んだ。公明党の事前調整では、ごく一部の文言修正はあったものの、ほとんどは安倍の考えが反映された。
「談話では、より多くの国民に賛同してもらえるものを作成したいと考えた」
会見で安倍はこう語った。先の政府高官は安倍の思いをこう代弁する。
「一度に満点はとれない。歴史認識で日本は一方的に押されていたが、押し戻すきっかけにする」(敬称略/SANKEI EXPRESS)