映画「ダラス・バイヤーズクラブ」に主演したマシュー・マコノヒーさん(左)と共演者のジャレッド・レトさん。このヒット作でアカデミー主演男優賞と助演男優賞を受賞した2人も、違法ダウンロードの横行は苦々しく思っているに違いないのだが…=2015年1月25日、米カリフォルニア州ロサンゼルス(ゲッティ=共同)【拡大】
IPアドレス特定
一方、豪州は人口1人当たりの違法ダウンロードが最も多い国とされ、「ダラス・バイヤーズクラブ」の海賊版の拡散も問題になっていた。
オーストラリアン・フィナンシャル・レビュー紙などによると、著作権者のLLC社はドイツのIT企業の協力を得て昨年、映画ダウンロードサイト「ビットトレント」上で「ダラス・バイヤーズクラブ」を1カ月に違法にDLしたユーザー4726人のIPアドレスを特定して公表。この資料を元に、ユーザーが契約していた豪州の「iiNet」や「Dodo」などプロバイダー6社を相手取り、請求書送付のために名前と住所を教えるよう求めていた。
豪連邦裁判所は今年4月、LLC社の訴えを認め、6社に個人情報の開示を命じた。しかし、命令に対してユーザーらから「個人情報の流出を助長する」「名前と住所だけとはいえ、扱いを軽く見過ぎている」といった不満、不安が噴出。さらにLLC社は、一罰百戒の意味を込めて海賊版が広く流布した責任の一端も特定されたユーザーに負わせ、1人当たり7000米ドル(約87万円)も請求する意向であることが分かり、裁判所は5月に開示命令を差し止めた。