6月に発覚した日本年金機構の個人情報流出事件で、厚生労働省が設置した「第三者検証委員会(検証委)」による調査報告書が21日、公表された。前日の20日には、機構の内部調査委員会が報告書を公表。同じ事案で2つの調査機関がそれぞれの調査結果をまとめたわけだが「検証委の方が第三者の観点から、より深い検証を行うだろう」と想定していた。だが、ふたを開けてみれば、検証委の方が「物足りなかった」というのが率直な感想だ。
機構調査委はウイルスメールの受信状況、その後の対応を詳細に記載。さらに、前身である旧社会保険庁からの体質にも踏み込み「ガバナンスの脆弱(ぜいじゃく)さ、組織としての一体感の不足、リーダーシップの不足、ルールの不徹底」など厳しい自省の言葉が並んだ。
一方、検証委の報告書では、機構に対し「徹底した意識改革」を求めたが、厚労省に対して同様の言葉はなし。事件では、厚労省年金局担当係長が、機構への最初の攻撃から17日間も上司に報告していなかったことが表面化していたが、経緯や組織としての問題点、責任問題の記載は乏しかった。