また、「中間報告」と説明してきた調査は、公表当日に「最終報告」に変更。機構がウイルス攻撃を受ける約2週間前、厚労省が類似の手口による攻撃を受けていた「新事実」がなかったら、見出しにも苦労しただろう。検証委による会見では「厚労省に配慮したのでは」との質問が飛んだが、物足りなさへの明確な答えはなかった。
「今回はどうしても政治的なものになる」。検証委の調査に携わった1人は、調査開始当初から結果を“予言”するような言葉を漏らしていた。一連の問題は国会でも追及され、一時、厚労省関連法案の審議が進まない事態に。塩崎恭久厚労相は「厳しく検証していただく中で責任の所在を明らかにする」と答弁し、与党への攻撃材料を得たい民主党は、厚労省側に「報告書はいつ出るのか」と督促し続けた。
こうした背景から、検証委が完全に独立した「第三者機関」とは性格が異なっていた感は否めない。事案の詳細な経緯の検証は機構に任せて新事実を1つ公表し、責任問題には踏み込まない-。「三方一両損」ともいえる大人の報告書だったとみるのは穿ちすぎだろうか。(伊藤弘一郎/SANKEI EXPRESS)