サイトマップ RSS

記号ではない、リアルな故郷がここに 「彼女の人生は間違いじゃない」著者 廣木隆一さん (3/4ページ)

2015.9.13 09:30

文芸作品の映画化を多く手がけてきた廣木隆一さん。「今回の作品の映画化?大歓迎です!」=2015年8月25日(塩塚夢撮影)

文芸作品の映画化を多く手がけてきた廣木隆一さん。「今回の作品の映画化?大歓迎です!」=2015年8月25日(塩塚夢撮影)【拡大】

  • 「彼女の人生は間違いじゃない」(廣木隆一著/河出書房新社、1400円+税、提供写真)

 ともすればエグい設定だが、みゆきたちを見つめる視点は、あくまでも温かい。「あっけらかんと書きすぎてしまったかなという思いもあるけれど…。でも、デリヘルをやっている子たち自身は、悲観していないと思うから」

 スケッチを重ねるような抑えた筆致も印象的だ。「小説って『まるで』という言葉が多いじゃないですか。でも、今回はできるだけ『まるで』という表現を避けて、会話や行動の描写を重ねるだけにしました。あまりこちらが書き込むよりも、読む人の想像に任せたいと思って」

 逃げ出したものの…

 作品の中では、“福島”は“フクシマ”と記される。「国際社会の中では、記号になってしまいましたね…。でも、そこで暮らす人にとっては、フクシマはリアル。そのギャップはありますね」

 執筆は故郷に向き合うことでもあった。「高校を卒業して、上京。遠くへ、遠くへ行きたかった。言葉は悪いかもしれないけれど、僕は故郷から逃げ出した人間です。一方で、福島に残ることを選んだ人をかっこいいと思う気持ちがある」

『いつか田んぼをもう一度作るんだ』

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。

ページ先頭へ