精巧な技術で改良が重ねられる義手や義足。最新技術を駆使して「触感」機能の回復が可能な義手や義足が一般的に使われる日もそう遠くない=2015年8月25日、米ペンシルベニア州フィラデルフィア(AP)【拡大】
DARPAの軍事研究部門に所属し、この研究チームの責任者を務めるジャスティン・サンチェス氏によると、ある時、男性に内緒で指1本ではなく2本を同時に押したところ、「男性はおどけた様子で『誰かが僕にいたずらしようとしていないか?』と尋ねてきた。まさにそのとき、彼がロボット義手を通して知覚している感覚が、ほぼ自然なものであると分かった」。これが、最新型の義手という“新たな手”で、男性が感触を取り戻した瞬間だった。
幻肢痛も消える
DARPAの研究プログラムはもともと、戦場で負傷して四肢のいずれかを欠損した兵士をフォローすることが出発点だった。2006年にスタートし、義手や義足の研究開発が進められたが、同種の研究は他国でも、かなり進んでいる。
英紙デーリー・テレグラフ(電子版)などによると、スイス連邦工科大学ローザンヌ校と、イタリアのサンターナ高等研究所の研究チームは昨年2月、10年前に花火の事故で左手を失った36歳のデンマーク人にDARPAと同種の義手を装着する実験を実施。知覚能力の“回復”に成功している。