国連本部での首脳会談に臨むにあたって、写真撮影のため報道陣の前に姿を現したバラク・オバマ米大統領(右)とウラジーミル・プーチン露大統領。両首脳の渋い表情が「衝突回避のための対話」の空疎さを物語った=2015年9月28日、米ニューヨーク(ロイター)【拡大】
「力と行動の世界」こそ
プーチン氏はオバマ氏との首脳会談に先立ち、米CBSテレビのインタビューでKGB(旧ソ連国家保安委員会)出身の素顔をうかがわせた。ウクライナでビクトル・ヤヌコビッチ前大統領(65)の政権崩壊に果たした米国の役割を問われ、こう答えた。
「ロシアはウクライナの数千人と連絡を取っており、誰がいつどこでヤヌコビッチ氏追放に関わった人物と会ったか正確に把握している。どのように支援し、いくら支払われたかもだ。われわれは全てを知っている」
米国が民主的な政権にこだわる隙に、危機に乗じて勢力圏を拡大する手法はシリアでも繰り返されようとしている。ロシアがイランや、シリアのアサド政権を加えた「大連合」を形成すれば、中東における米国の影響力は大打撃を受ける。
プーチン政権に対する反体制派元指導者で元チェス世界王者のガルリ・カスパロフ氏(52)は米ウォールストリート・ジャーナル紙で「オバマ氏があると信じている外交と法の世界に住みたいものだが、なお力と行動は重要だ。シリアやイラクでは行動なしに力は持ち得ない」と批判した。(ワシントン支局 加納宏幸(かのう・ひろゆき)/SANKEI EXPRESS)