内閣改造前の臨時総務会で手をつなぐ安倍晋三(しんぞう)首相(左から2人目)と稲田朋美政調会長(右端)ら=2015年10月7日、東京都千代田区永田町の自民党本部(斎藤良雄撮影)【拡大】
ただそこで問題となるのは甘利氏だ。両氏は6月、国の財政再建策の立案過程で鋭く対立。甘利氏が稲田氏を怒鳴っても、稲田氏が持論を曲げない場面もあった。稲田氏が経産相となれば、経済成長戦略を立案する甘利氏と所管がかぶる。
首相周辺は「稲田氏の後任の政調会長候補の1人に甘利氏がいた」と語る。甘利氏は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)担当相も務めていたが、9月30日から始まった関係閣僚会合は、遅くとも組閣までには大筋合意する見通しがあった。甘利氏自身、自民党が野党時代に短期間政調会長を務めたが、今回は政策遂行力が格段に違う与党としての再登板を希望していた。首相の構想は、いわば両氏が交わらぬよう入れ替える案だ。
しかし稲田氏の入閣構想には、思わぬ横やりが入った。震源は稲田氏の出身派閥・細田派(清和政策研究会)だ。
細田派は昨年9月の内閣改造で、党内最大派閥ながら2人しか入閣せず、会長の細田博之幹事長代行の求心力が弱まった。細田氏は今回、首相に8人前後の入閣候補者を示し、入閣者を増やすよう要請。それだけに、稲田氏が再び入閣する噂を聞くや「待機組のポストがまた減る」と不快感を示したという。