ギリシャ国会で野党議員らの質疑を聞くアレクシス・チプラス首相。メディアとの確執は、政府による「民放競売権」掌握という前代未聞の事態に至った=2015年10月16日、ギリシャ・首都アテネ(AP)【拡大】
ロイター通信などによると、ヤニス・ドラガサキス副首相(68)とチプラス首相の側近中の側近として知られるメディア事業を管掌するニコス・パパス首相府相(39)は法案成立後、異口同音に「これはギリシャから腐敗と非効率を追放するための法律だ。メディアも例外ではなく、銀行などと同じように改革されていかなくてはならない」「メディアの経営者たちは政治に不当な圧力をかけ、さらに公共事業の指名を関連企業に誘導させ、巨富を得ている」などと語った。
見直し対象を競売
新法の骨子は、現在主要なもので8社ある民放のテレビ・ラジオ局の経営権を政府が随時見直し、見直し対象となった民放の経営陣は総退陣させられ、経営権は競売にかけるというもの。競売で得られる経営権は10年の時限付きで、資本金は民放の形態・得意種別に応じて200万~800万ユーロ(約10億7000万円)を積むことが義務づけられている。また、新経営陣は現在の社員たちをむやみに解雇してはならず、規模に応じて50~400人以上は雇うことも義務化している。
ただどの民放が競売の対象となるかについては「よいオファーがあったものについて随時」となっており、「政府のさじ加減で何とでもなりかねない」と野党側は批判している。