ギリシャ国会で野党議員らの質疑を聞くアレクシス・チプラス首相。メディアとの確執は、政府による「民放競売権」掌握という前代未聞の事態に至った=2015年10月16日、ギリシャ・首都アテネ(AP)【拡大】
ギリシャでは2年前にも、一時、公共放送が停止されたことがあったが、これは国際債権団が要求する財政再建策の一環として行われたもので、今回とは全く理由が異なっていた。
民主主義はどこへ…
ギリシャでは1月の総選挙で財政緊縮策反対を掲げた急進左派連合が大勝し、チプラス政権が発足した。チプラス氏はEUから厳しい財政再建策を突き付けられると、7月に受け入れの是非を問う国民投票を実施。国民投票では、チプラス氏が唱えた「受け入れ反対」が多数になったが、結局、チプラス氏は最終的により厳格な再建策を受け入れざるを得なかった。そして、8月には自らの政権基盤強化を狙って内閣総辞職に踏み切った。この間、民放や新聞各紙は大半が、チプラス氏の政策に異を唱え、国民投票でも「受け入れ賛成」を主張したのだった。
今回の新法は、言い方を変えれば、政府が民間企業の経営陣の解雇権を握るということでもある。異常事態と言わざるを得ない。ヨーロッパ文明と民主主義の発祥の国、ギリシャはどこへ向かってしまうのだろうか。(SANKEI EXPRESS)