ギリシャ国会で野党議員らの質疑を聞くアレクシス・チプラス首相。メディアとの確執は、政府による「民放競売権」掌握という前代未聞の事態に至った=2015年10月16日、ギリシャ・首都アテネ(AP)【拡大】
財政危機に陥っているギリシャで24日、政府に民間放送局の“解体”と経営権を競売(オークション)にかける権限を与える法案が可決された。新法の具体的な運営方法はまだ詰まっていない部分が多いが、基本的には現在の経営陣を一掃する権限を政府が握るというものだ。背景には、政策遂行などをめぐり激しく対立する現在の左派政権と大半の民間メディアの確執がある。担当大臣は民放の経営者たちを「バンパイヤ(吸血鬼)ビジネスに群がる輩(やから)」とまで揶揄(やゆ)しており、感情的しこりも見え隠れしている。
「腐敗追放するため」
ギリシャでは先月20日に今年2度目の総選挙が行われ、与党・急進左派連合(SYRIZA)が再び第一党となり、アレクシス・チプラス首相(41)の続投が決まったばかり。
法案は、中道右派などの野党勢力が「メディア文化を滅ぼす『バンパイヤ法案』」と指弾して反対したが、可決された。前日の23日には、民放だけでなく公共放送の記者たちもストライキを行い、終日、ニュースの放映を中止するという抵抗を試みたが、国会の議決では多勢に無勢だった。