防衛省は29日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設先である名護市辺野古(へのこ)で本体工事に着手した。米軍キャンプ・シュワブ内で作業場整備から始め、2020年10月までの工期で約160ヘクタールを埋め立てる。辺野古を移設先と定めた1999年の閣議決定から16年を経て、移設問題は新たな局面を迎えた。
防衛省は29日、シュワブ内で施設を解体した跡地に作業場を設けるため重機で砂利を敷いた。資材運搬用の仮設道路も整備する。
世耕弘成(せこう・ひろしげ)官房副長官(52)は記者会見で「基地の整理、縮小を目に見える形で進めていきたい」と強調。沖縄県の翁長雄志(おなが・たけし)知事(65)は県庁で記者団に「強権極まれりだ」と述べ、国土交通相が出した辺野古の埋め立て承認取り消し撤回の勧告には応じないと表明した。また、11月2日に国地方係争処理委員会に不服審査を申し出ると通知した。