北欧を代表する映画監督、ベント・ハーメル(58)=ノルウェー=が脚本も手がけたオリジナル作品「1001グラム ハカリしれない愛のこと」は、「ノルウェー国立計量研究所」に勤務する計量のエキスパートを主役に据えた「リケジョ」の成長物語だ。
《スキーのジャンプ台の長さから街のガソリンスタンドの計器のチェックにいたるまで、計測に関するあらゆる検査を一手に担ってきた、きまじめで、人付き合いが苦手な科学者マリエ(アーネ・ダール・トルプ)。自らの結婚生活はといえば、“計測”できないことの連続で、目下、離婚手続きを進めている。そんな鬱々とした日々の中、パリで開催される国際セミナーに代理出席して、1キログラムの新しい定義の仕方を議論するために重さの基準となるノルウェーの「キログラム原器」をパリに持ち込むこととなったマリエは、鳥の泣き方を調査する研究員、パイ(ロラン・ストッケル)と知り合う》
なぜハーメル監督はキログラム原器という“謎の物体”からインスピレーションを得たのだろう。「何年も前にラジオのドキュメンタリー番組を聴いていた私は、国立の施設がキログラム原器を保管していることを初めて知り、そんなものが存在するのかと大きな関心を持ちました。その後、脚本を執筆している際に『これは映画のアイデアとして面白いかもしれないな』と思い出したのです」