なりたい自分になる
ハーメル監督が本作で訴えたかったのは、「孤独との向き合い方」。そして、「人間は生きる上で、いかに自分の存在の価値を測る物差しを求めるものなのか」-ということだ。本作は、ハーメル監督が初めて女性を主人公にした作品ということで、新境地を切り開いたと評価する向きもあるが、監督本人は、「仮に主人公が男性であったとしても、物語の骨格はまったく変わらなかっただろう」と分析する。「人間というものは、男性でも女性でも同様に、似たような人生のハードルと向き合うわけですから、僕が女性を描いたからどうだ-と見てもらう作品ではないのです」と力を込めた。
ハーメル監督自身は、定められた規格通りに人生を送ることには何の魅力も感じないタイプだという。「例えば、映画学校を卒業したからといって、決して全員が映画監督になれるわけではありません。結局、どんな分野に身を置いたとしても、本人が努力と工夫を重ね、自分独自のやり方を見つけて、なりたい自分になれるように道を切りひらいていくしかないのです」。東京・Bunkamuraル・シネマほかで公開中。(高橋天地(たかくに)、写真も/SANKEI EXPRESS)