兵庫県神戸市長田区にある「鉄人28号」のモニュメント。戦闘ロボットはもはや、アニメ・映画の世界を跳び出し、実戦配備も現実味を帯び始めている=2012年12月23日(桑村朋撮影)【拡大】
アニメで発想磨く技術者
まずガンダムとマジンガーZ。内部にパイロットが乗り込み、操縦をする。運用面で従来型戦車・戦闘機の超派生型に近い。技術者の中には、発想を磨くべくアニメや映画のキャラクターの“性能”を観察している若手・中堅が結構存在する。「装備の諸元や動きのイメージを理解してもらうため、会議で例として採り上げることもある」とか。
次いで鉄人28号。鉄人は少年探偵・金田正太郎君がリモコンで動かす。大東亜戦争(1941~45年)末期、大日本帝國陸軍が起死回生の秘密兵器として開発した巨大ロボットで、漫画雑誌の初連載が1956年とあって、初期型リモコンは広辞苑並みの大きさが有る。2本のレバー+3つのボタンが付くリモコンの絵柄やオモチャの写真を見せ、懇意の技術者に“分析”を依頼した。
結果は「リモコンの小型化に成功していない」と指摘する一方で、「リモコンの単純構造は本来なら進化の証しで、正太郎君の操縦を受けた後は、一定程度考えて行動もする一部自律可能性が観て取れる」と、真面目に付き合ってくれた。