兵庫県神戸市長田区にある「鉄人28号」のモニュメント。戦闘ロボットはもはや、アニメ・映画の世界を跳び出し、実戦配備も現実味を帯び始めている=2012年12月23日(桑村朋撮影)【拡大】
ホーキング氏は「ゆっくりとした進化しか遂げられぬ人類はAIと競争はできず、取って代わられるだろう。自ら発展し、加速度的に自身を再設計する完璧なAI開発は人類の終焉をもたらす」とも予言した。実際、2045年ごろにAIが人類の能力を凌駕するとの《2045年問題》が持ち上がっている。
まるで、反乱を起こしたAIが人類を滅ぼそうとする米SF映画シリーズ《ターミネーター》の世界だ。1937年公開の米SF映画《ウエストワールド》も頭に浮かぶ。ユル・ブリンナー(1920~85年)演ずる早撃ちガンマンはロボットで、遊園地で客に撃ち殺される日常をおくっていたが、人間に反発し、人間を次々に射殺し始める。
防げるかロボットの暴走
確かに、人間の指揮を外れるアトム型が道徳心・倫理観を保てるか否か、研究は煮詰まっていない。ただ、米海軍海事技術本部の支援を受け、米国の3大学が「善悪を判断するロボット」の研究開発に着手している。学際的研究チームは以下のごとき状況を想定する。